4 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ
山部赤人
三十六歌仙の一人
He is one of the Thirty-six Poetry Immortals.
現代語訳
田子の浦に出てはるか遠くを眺めてみると、富士の高い嶺が白い布をかぶったようであるが、真っ白な雪が降り続いているのだろうなあ。
When I am out to the bay of Tago and look at the distance, though a high peak of Mt.Fuji like to be covered with white cloth, there might continue to fall white snow.
文法・語
「に」―作者の立っている場所を示す格助詞
「うち」-動詞の前につく接頭語
「みれ」-動詞「見る」の已然形、接続助詞「ば」は已然形から続くと確定条件を表す
「つつ」-反復・継続の接続助詞で、時間の継続を表している
「白妙(しろたへ)」-白い布のことで、富士に掛かる枕詞
田子の浦 MAP
駿河湾西沿岸を指す。現在の静岡県富士市