12 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ


僧正遍昭
僧・歌人。六歌仙および三十六歌仙の一人。従五位上・左近衛少将。

Buddhist priest/poet. One of the six Poetry Immortals, the Thirty-six Poetry Immortals. Jugoinojo (Junior Fifth Rank) , Retained his position as Sakone no shosho.


現代語訳
空吹く風よ、天女が帰るという雲の道を吹き閉ざしておくれ。乙女たちの美しい舞姿をもう少しこの地上に留めておきたいのだ。

文法・語
「つ」-「の」と同じ働きをする連体修飾格の古い格助詞
「をとめ」-「天女」の意。五節の舞姫を見て詠んだものといわれる
「とどめむ」-下二段活用動詞「とどむ」の未然形に意志の助動詞「む」の終止形で、希望を表す「~たい」の意。五節の舞姫が舞う姿を見続けていたという気持ちを表している