39 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき


参議等・源等
公家。正四位下・参議。

現代語訳
浅茅の生えた小野の篠原ではないけれども、あなたへの思いを忍んではいますが、もう忍びきることは出来ません。どうしてこのようにあなたが恋しいのでしょうか。

文法・語
「浅茅生の」-「小野」にかかる枕詞。「浅茅」は丈の短いチガヤ。「生」は草木が生えている所 「小野」-野原の意を表す普通名詞。「小」は接頭語
「篠原」-細い竹が生えた原
「しのぶれ」-バ行上二段の動詞の已然形で耐える・こらえるの意
「ど」-逆接の確定条件を表す接続助詞
「あまりて」-多すぎてあふれる状態を表す
「など」-疑問を表す副詞で「どうして~だろうか」の意
「か」-疑問の係助詞
「恋しき」-形容詞の連体形で「か」の結び