2 春すぎて夏來にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山



持統天皇
第41代天皇。父は天智天皇。

He is the 41st Emperor of Japan, his father is Emperor Tenji.


現代語訳
いつの間にか春が過ぎて夏が来たようだ。夏になると白い衣を干すといわれている天の香具山に、白い衣がひるがえっているのが見えるのだから。

Before I knew it, it seems to have come summer after spring. So I see white dresses over the Amanokaguyama hill which is handed down that Celestial maiden dry their dresses in the sun when it becomes summer.


文法・語
「けらし」-「けるらし」のつまったもの、「らし」は推測
「白妙(しろたえ)」-木の皮の繊維で織った白い布で「衣」にかかる枕詞

天の香具山 (MAP
奈良県橿原市にある低い山で、大和三山の一つ。古代から「天」という尊称が付くほど三山のうち最も神聖視された。天から山が2つに分かれて落ち、1つが伊予国(愛媛県)「天山(あめやま)」となり1つが大和国「天加具山」になったと『伊予国風土記』逸文に記されている。