15 君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ


第58代天皇。

現代語訳
あなたに差し上げようと、春の野に出て若菜を摘んでいるわたしの袖に、ちらちらと雪が降りかかっています。

文法・語
「君」-若菜を贈った相手。万葉時代の「君」は、天皇・主君・敬意の対象となる男性などをさすことが一般的であったが、平安時代には女性にも用いられるようになった
「が」-連体修飾格の格助詞
「若菜」-春の七草